共有名義人が自己破産したらどんな影響がある?家や住宅ローンはどうなる?

共有名義の不動産の名義人のうち一人が自己破産すると、家(不動産)や住宅ローンはどうなってしまうのでしょう。
自己破産していない共有名義人にも自己破産の影響があるのでしょうか。
- 自己破産は不動産の共有名義人に影響するか
- 不動産の共有名義人が自己破産したときの対処法
- 対処法である任意売却と競売の違いについて
以上の3つのポイントを解説します。
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不動産の共有とは「二人以上の人がひとつの不動産を一緒に所有すること」をいいます。
不動産は登記によって持分の設定が可能です。
たとえばAさんとBさんが戸建て住宅を共有するとします。不動産の持分は必ず半分ずつというルールはありません。事情に合わせた割合で持分の設定が可能です。
AさんとBさんで2分の1ずつの持分を設定して共有してもいいですし、Aさんが10分の1の持分でBさんが10分の9でも差し支えありません。持分に関わらず、ひとつの不動産を二人以上が所有することが「共有」です。
不動産の共有関係にある人を「共有名義人」といいます。
不動産の共有名義人が自己破産した場合、他の共有名義人に影響が出るのかが問題です。
自己破産とは
裁判所で手続きすることにより、債務(借金)を免責してもらう方法が自己破産です。
自己破産をすると、一部の債務以外は免責、要するに返済する必要がなくなります。借金苦に陥っているときの最終的な解決策ともいえる方法が自己破産なのです。
裁判所から借金の免責を得られると聞くと、「便利な方法だ」と思うかもしれません。お金を借りて裁判所で自己破産すれば、借金を返さなくてもいいからです。自己破産がメリットだけの手続きなら、多くの人が利用することでしょう。
しかし、自己破産にはデメリットもあります。
- 不動産などの価値ある財産は換金して債権者に渡さなければいけない
- 国の機関紙「官報」に名前が掲載される
- 税金や養育費など一部の債務は免責の対象外である
- 免責を受けるまで士業や警備員などの一部の職業に就けない
- ローンなどの借り入れが5~10年ほど難しくなる
以上が自己破産のデメリットです。
特に注目したいのは「不動産などの価値ある財産は換金して債権者に渡さなければいけない」というデメリットです。
自己破産で免責を受けるためには、めぼしい財産を換金して債権者に配当しなければいけません。債務をある程度清算した上での免責なのです。
自己破産では20万円以下の預金など、裁判所の基準を超えない範囲の財産しか手元に残せません。不動産などは基本的に換金対象になります。
自己破産で不動産が換金対象だと「共有不動産はどうなるのか」がさらなる問題になるのです。
AとBの共有不動産があったとします。Bが自己破産しました。不動産は共有ですから、Bの自己破産がAに影響する場合、Aの持分まで換金されて債権者に渡されてしまうのではないかと不安になるはずです。この点については、どのように扱われるのでしょう。
自己破産すると共有名義人への影響はあるのか
不動産の共有名義人の自己破産は、 持分という点では他共有名義人に影響しません。
たとえば、Aが2分の1の持分、Bが同じく2分の1の持分で不動産を共有していたとします。共有名義人Bが自己破産した場合、換金されるのはBの持分だけです。共有不動産のBの持分だけ換金されるため、Aの持分には何ら影響を及ぼしません。
持分も財産のひとつ。Aの持分はAの財産です。自己破産にAは関係ないわけですから、Aの持分が一緒に換金されるようなことは基本的にありません。安心してください。
ただ、別の意味で共有名義人Bの自己破産がAに影響を及ぼすことがあります。
自己破産者の持分は競売にかけられる
共有名義人Bの自己破産がAに及ぼす影響としては、「共有不動産の換金により関係が複雑になること」です。
自己破産すると不動産は競売によって換金されます。これは、共有不動産の持分も同じです。Bの持分2分の1だけ競売にかけられ、換金される流れになります。
競売で共有不動産のBの持分を見ず知らずの人が買うと、不動産はAと見ず知らずの人の共有名義状態になるのです。
たとえばAとBが元夫婦だったとします。AとBは知った仲なので、不動産の維持管理や処分についても相談できるはずでした。
しかし、共有名義人がBから赤の他人に変わってしまうとどうでしょう。
不動産の維持管理や処分について話すことに遠慮が出てしまいます。加えて、赤の他人と不動産を共有することには、以下のようなデメリットがあります。
- 売却には共有名義人全員の承諾が必要 →見ず知らずの人が共有名義人だと話し合いや承諾を得ることが難しくなり、売却しにくくなる
- 共有名義人である見ず知らずの人に相続が発生すると持分が相続される →共有関係がさらに複雑化する
Bの自己破産によりAの持分に影響はありません。しかし、B持分の競売により赤の他人が共有名義人になるため、Aにはデメリットと影響があります。結果的に、共有名義人の自己破産による影響がゼロとはいえなくなります。
住宅ローンの返済が終わっていない元夫婦は別の影響もある
住宅ローンの返済が終わっていない離婚した夫婦の場合、別のリスクが考えられます。
たとえば、不動産の共有名義人である元夫が住宅ローンを払っていて、返済が終わる前に自己破産しました。共有の原則でいえば、妻の持分に影響はないはずです。しかし、住宅ローンの連帯債務者になっている場合は、話が変わってきます。
元夫が自己破産すると、元妻は連帯債務者として住宅ローンを返済しなければいけません。金融機関は元妻に元夫の住宅ローンの一括返済を求めてきました。元妻には自分の生活もありますから、元夫の返済に回すお金がないケースも少なくありません。一括返済に応じるまとまった資金がないケースもあることでしょう。
一括返済分を払えず元妻も自己破産すると、結局、元妻の持分も競売される流れになります。離婚した元夫婦が住宅ローンを組んでいると、元夫の自己破産が回りまわって元妻の自己破産と持分競売につながるケースがあるわけです。
自己破産で資産を差押えられた時、家族への影響は?
自己破産した場合、破産者本人名義の20万円以上の価値がある資産は差押えられてしまいます。
夫が自己破産した場合、妻や子供の財産については差押えの対象外ですが、家・土地、車、保険・貯金などが夫名義であれば家族の生活も大きな影響を受けるでしょう。
- 家・土地の差押え → 引越し、子供の転校、職場の変更など
- 車の差押え → 交通が不便になる可能性
- 保険の解約 → 教育ローンなどの貯蓄が手元に残らない
共有名義人が自己破産した場合の対処法
共有名義人が自己破産した場合、共有という関係上影響はゼロではありません。離婚した夫婦の場合、元妻や元夫の自己破産で望まぬ影響は受けたくないはずです。
共有名義人が自己破産した場合は、影響回避のためにふたつの対処法が考えられます。
元夫が自己破産したものとして説明します。
持分を買い取った上で一括返済する
元妻が自己破産した元夫の持分を買い取り、その上で住宅ローン残金を一括返済する方法です。
先に元夫の持分を買い取ってしまえば、競売にかけられることはありません。先に持分を元妻が自分のものにしてから、住宅ローン分を一括返済するという流れです。
ただ、この方法を実現するためには潤沢な資金が必要になります。不動産の共有名義人である夫の持分を買い取り、さらに一括返済できるだけの資力がなければいけないのです。
資力の点であまり現実的とはいえない方法になります。
任意売却で対処する
もうひとつの対処法が任意売却です。
任意売却とは、住宅ローン返済問題などで困っている人が 任意で不動産を売却し、ローンの清算を目指す方法になります。
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任意売却と競売は同じ「他人への不動産売却」ですが、4つの点で異なっています。
任意売却と競売は「任意」と「強制」の違いがある
競売は裁判所の主導による強制的な売却です。
任意売却は共有名義人の任意で売却を進められます。任意と強制という点で異なっているのです。
任意売却と競売は「相場」が違う
任意売却と競売は売却時の相場が異なります。 一般的に任意売却の方が売却相場は高めで、住宅ローンなどの債務の清算に有利です。
任意売却の残債については、無理のない範囲で返済することになります。
返済能力が乏しければ、残債を減らす措置を講じてもらえる可能性があるのです。
競売では、残債への配慮はありません。
任意売却と競売は「共有名義者の都合」に合わせられるかが違う
任意売却は任意での売却なので、引っ越しスケジュールなどを話し合うことが可能です。
競売は強制的に売却され、日程に合わせて強制的に出て行かなければいけません。
引っ越し費用についても、競売は一切配慮してくれません。
任意売却の場合は引っ越し費用についても相談可能です。交渉次第では、売却代金などから引っ越し費用を捻出できます。
任意売却と競売ではプライバシーの扱いが異なる
競売は競売不動産の情報がインターネットなどに掲載されます。よって、共有名義人が内緒で競売することは不可能です。
対して任意売却は 通常の不動産売却の手法のひとつですから、周囲に知られないよう配慮して進めることもできます。
まとめ
共有名義人が自己破産しても、自己破産していない他共有名義人の持分に影響はありません。
しかし、持分以外のところで影響が出る可能性がある他、住宅ローンの連帯債務関係の場合は最終的に持分を手放さなければならないなど、大きな影響を受ける可能性があります。
共有名義人の自己破産で影響を受けないためにも、 早めに任意売却で対処しましょう。
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