ペットと快適に暮らすためのリフォームポイント!お悩み別の対策と費用を解説
- リノベーションの基礎知識
人間にとって快適な住まいが、必ずしもペットのために快適な住まいであるとは限りません。
ペットと一緒に暮らすなら「ペットにとって快適な住まい」を考えてリフォームしたいものです。
この記事では、ペットと快適に暮らすためのリフォームポイントをお悩み別にご紹介します。ペットのお悩み別の対処法や、対処法のために必要な費用の目安についても、あわせて解説します。
ペットと快適に暮らすためのリフォームポイント
ペットと快適に暮らすためのリフォームポイントは8つあります。
まずは、ペットとの暮らしで考えたいポイントについて確認しておきましょう。
- ペットの臭い
- ペットのいたずら
- ペットの体の負担
- ペットの暑さや寒さ
- ペットの鳴き声(吠え声)
- ペットの飛び出し
- ペットのアレルギー
- ペットの生活
ペットの快適に暮らすためのリフォームの8つのポイントと対処法、費用について順番に見ていきましょう。
ポイント①ペットの臭い対策をする
ペットのお悩みでよく挙がるのが、臭いではないでしょうか。
ペットの粗相の臭いや体臭など、ペットを飼っていると家の中の臭いが気になることがあります。
普段は気にしなくても、外出して帰宅すると「ペットの臭いがする」と気になることがあるはずです。
ペットと快適に暮らすためには、リフォームの際に臭い対策をすることが重要になります。
珪藻土塗装や窓など家の素材や設備で対処する
ペットの臭い対策としては、窓を多めに作ったり、家の中に脱臭効果があるナノイー発生器を設置したりするという対処法があります。
この他に、消臭や脱臭の効果があるクロスを使うという方法もありますが、クロスは犬猫の爪で傷つきやすいというデメリットに注意が必要です。
クロスの他に、珪藻土塗装をリフォームで使うという方法もあります。
珪藻土とは、よくバスマットに使われている、水分や臭いを吸着する効果のある素材です。珪藻土塗装はクロスのように爪ですぐに傷つくことはありませんから、ペットのいるお宅でも安心して使えます。
珪藻土塗装の相場は、1畳あたり7万円ほどになっています。
ナノイー発生機器は、10畳用で3万円ほどです。
機器と塗装を併用することも検討してみてはいかがでしょう。
ポイント②ペットのいたずら対策をする
ペットを飼っていて困るのは、いたずらです。
ペットに悪気はなくても、ちょっとしたいたずらで家がボロボロになってしまうこともあります。
ペットのいたずら対策には、腰壁や強化パネルによる対策が考えられます。
壁の位置を高くする腰壁や強化パネルで傷を防ぐ
ペットのいたずら対策としてリフォームで使える方法としては、腰壁があります。
腰壁とは、人間の腰くらいの高さから上と下で異なる仕上げをした壁のことです。
ペットは人間より体高が低いですから、腰より下をペットの爪に強い素材で仕上げるという方法があります。壁の素材に強化パネルを使うことも方法のひとつです。
腰壁や強化パネルは商品や素材により価格が異なります。
ペットのいたずら対策をしたい旨を伝えて、リフォーム会社に見積もりを出してもらうといいでしょう。
ポイント③ペットの体の負担対策をする
ペットと暮らすうえで考えたいのは、ペットの体への負担です。
フローリングの床は掃除しやすいなどのメリットがある反面、犬猫が滑りやすく、ペットの足腰に負担をかけるというデメリットがあります。
リフォームの際はペットの体の負担も考えて、床をどうするか計画を立てる必要があるのです。
床をクッションフロアにするなど犬猫の足腰を守る
ペットの足腰の負担を軽減するリフォームとしては、床をクッションフロアにする方法があります。
クッションフロアとは、柔らかで足腰に負担をかけにくい素材のことです。
床のすべてをクッションフロアにしなくても、ペットが移動する範囲だけクッションフロアを使うという方法もあります。
クッションフロアは費用も比較的軽減でき、1畳あたりのリフォーム費用は6万円が目安です。
この他に、ラグやタイルカーペットを活用する方法もあります。
ポイント④ペットの暑さや寒さ対策をする
ペットのいるお宅のリフォームで考えたいのは、ペットの暑さや寒さ対策です。
暑さについては冷房やペット用の冷却アイテムが主な対策になります。冷房などはリフォームの際に設置場所をよく相談することをおすすめします。
ペットの寒さについては、リフォーム時に床暖房を取り入れるという方法を検討してみてはいかがでしょう。
ペットの寒さ対策に有効な床暖房は2種類
ペットの寒さ対策をする方法はいくつかあります。
代表的な方法としては、暖房機器を設置する方法を思い浮かべるのではないでしょうか。
ただ、ペットは体高が低いため、部屋の下の方に寒い空気がたまってしまい、寒さを覚えるケースがあるのです。暖房機器にペットが触れてしまい、火傷するリスクもあります。
ペットと人間の寒さ対策を同時におこなう方法としては、床暖房があります。
床暖房を使えば、ペットも温かく、人間も快適に過ごすことが可能です。
床暖房には電気ヒーター式と温水式があります。
ペットがいる場合は、床に温かさのムラが出ない温水式をおすすめします。
温水式の床暖房の費用相場は15畳ほどで80~110万円ほどです。
ポイント⑤ペットの鳴き声対策をする
リフォームする際に考えたいのが、ペットの鳴き声(吠え声)の対策です。
ご近所と建物が近い場合は、ペットの声でご近所トラブルになることもあるため、リフォームの際に対策しておきたいポイントになります。
遮音シートやペアガラスで防音対策する
ペットの声や足音が気になるなら、ペアガラスや遮音シートを利用する方法があります。
ペアガラスとは、窓のサッシを二重にするタイプのガラスです。
ペアガラスは防音効果が期待できる他、断熱性もあるため、冷暖房効率をアップしたいときや、エコな暮らしをしたいときにもおすすめの対処法になります。
もうひとつが、遮音シートを壁に入れるという対処法です。
たとえば、グラスウールを壁に入れるという方法があります。グラスウールは吸音性に優れており、録音スタジオなどでも使われています。
費用相場は窓の大きさや壁の規模などによっても変わってきますので、リフォームにあわせて見積もりを取得するようにしましょう。
ポイント⑥ペットの飛び出し対策をする
来客があったときにペットが飛び出してしまうと事故のもとです。
また、せっかくペットが行き来できる範囲を区切っても、ペットの飛び出し対策をしていないと、ペットが自由に出て行ってしまいます。
ペットの事故などを防止するためにも、リフォームのときはペットの飛び出し対策をしておきましょう。
ペットフェンスやペットドアで飛び出し対策を
ペットの飛び出し対策としては、ペットフェンスやペットドアがあります。
ペットフェンスはホームセンターでも販売しており、リフォームのときに必ず取りつける必要はありません。
ただ、せっかくリフォームするのですから、ペットフェンスの取りつけも住宅のプロにお願いしてはいかがでしょう。
自分でペットフェンスの取りつけをすると、ペットが体重をかけたときに外れて怪我をするなどのリスクがあります。
プロにつけてもらう場合は安全面での配慮が可能です。
プロにペットフェンスの施工をお願いする場合は、1万円くらいが目安になります。門扉にペット飛び出し用の施工をする場合は30万円ほどが目安です。
ペットドアは、ペットだけが自由に出入りするドアのことで、よく猫を飼っているお宅が使っています。
こちらの相場は5,000円から。素材や施工にこだわる場合は、10万円ほどが費用相場になります。
ポイント⑦ペットのアレルギー対策をする
シックハウス症候群とは、リフォームに使った建材などによって起きる症状のことです。
目が痒くなる。鼻水が出る。これはシックハウス症候群の代表的な症状です。
シックハウス症候群は人間だけでなく、犬猫にも出る可能性があります。ペットの健康を守るためにも、アレルギー対策は考えたいものです。
自然素材の利用や日常に換気を取り入れることが対策
ペットのアレルギー対策には、リフォームに自然素材を取り入れる対策法があります。
自然素材はいろいろありますので、リフォームするときにリフォーム会社に相談してみるといいでしょう。
この他に、リフォーム後にこまめに換気する対策法があります。
こまめな換気で室内のアレルゲン物質やハウスダストを室外に排出しましょう。
ポイント⑧ペットの生活について考える
リフォームのときは、ペットとの生活スケジュールについても考え、必要な設備などを追加しましょう。
たとえば、一日の中で愛犬を庭で遊ばせる時間があったとします。
愛犬は基本的に家の中で生活していますが、散歩と庭で遊ばせる時間だけ外に出ます。
このようなケースでは、リフォームの際に裏口にペットの足を洗える水場を造ることが考えられます。
ペットとの生活に「あったら便利だ」「必要だ」と思えるものをリストアップし、リフォーム会社に見積もりや建材などの相談をしてみてはいかがでしょう。
まとめ
リフォーム後の家に人間だけが暮らすなら、人間のことだけ考えてリフォームすれば問題ありません。
しかし、ペットと一緒に暮らすなら、ペットのことも考えてリフォーム計画を練ることが重要です。
ペットと共に快適な暮らしを送れるよう、リフォームのポイントについてよく考えてみてください。