二世帯が快適に暮らすリフォームプランニングのポイントとは?間取り・施工例・失敗例を解説
- リノベーションの基礎知識
一戸建てにふたつの世代の世帯が同居するのが二世帯住宅です。
住宅は生活のベースだからこそ、ポイントをおさえたリフォームをおこなわなければ、生活しにくくなってしまうかもしれません。
場合によっては世帯同士の関係に亀裂が生じる可能性もあるのです。
この記事では、二世帯住宅のリフォームプランニングをおこなうときのポイントを解説します。
ひとつの戸建でふたつの世帯が暮らすからこそ、ポイントをおさえた快適な住まい作りを目指しましょう。
二世帯が快適に暮らすリフォームプランニングのポイントとは?
二世帯住宅で快適に暮らすためのリフォームプランニングのポイントは3つあります。
- 二世帯が快適に暮らすための間取りについて考えてプランニングする
- 二世帯が快適に暮らすための家にリフォームするための費用について考えてプランニングする
- 二世帯が暮らす家のリフォームでは失敗例を知って学ぶ
間取りや費用、失敗例など、リフォームプランニングのポイントについて順番に説明します。
二世帯が快適に暮らすリフォームで考えておきたいこと
二世帯が快適に暮らすためのリフォームプランニングで考えておきたいことは5つあります。
- 廊下を共用にするか
- キッチンを共用にするか
- トイレを共用にするか
- 風呂を共用にするか
- 生活のどこまでを一緒におこなうか
リフォームプランニングで考えておきたいのは、以上の5つのことです。
トイレやキッチン、お風呂などは、世帯間や住人間でトラブルになりやすい場所です。
共用にするかどうかは、世帯間の関係などを念頭に考えておく必要があります。
生活のどこまで一緒におこなうか。廊下を共用にするか。
このふたつをどうするかによって、間取りや世帯間の生活の密着度なども変わってきます。
5つのことは間取りを決めるうえでのベースになります。
5つのことをリフォーム後の間取りを決める前に考えておくと、よりスムーズかつ目的にそったリフォームができるはずです。
二世帯が快適に暮らすための間取りのタイプとは
二世帯が快適に暮らすための間取りには3つのタイプがあります。
設備の共用や、生活のどこまでを一緒におこなうかなどを二世帯で話し合ったうえで、3つの間取りのどのタイプが適切か検討するとスムーズです。
タイプ①完全同居型の二世帯住宅
完全同居型とは、一戸建てのスペースを分離せずふたつの世帯で使うタイプの二世帯住宅です。
ひとつの家にふたつの世帯(家族)が住んでいると考えればわかりやすいのではないでしょうか。
息子夫婦と子供の世帯、そして父母世帯が一緒に暮らしている一戸建てが代表例です。
完全同居型のメリットは、リフォーム費用をおさえられるという点です。トイレもお風呂も共有。
キッチンも居間も廊下も共有です。世帯によって別の設備を造る必要がないため、費用をおさえられるのです。
ただ、設備や生活スタイルをめぐって衝突が起きやすいというデメリットもあります。
生活スタイルや設備の使い方に違いがあり過ぎる二世帯の場合は注意が必要です。
タイプ②完全分離型の二世帯住宅
完全分離型とは、見た目は一戸建てですが、内部の設備は二世帯分あるタイプの二世帯住宅になります。
一戸建ての右が息子夫婦、左側が父母夫婦など、建物内でそれぞれの世帯が暮らすスペースが完全にわかれているタイプです。
完全分離型の二世帯住宅は、世帯の暮らすスペースが分離しているため、生活スタイルや設備の使い方をめぐってトラブルが起きにくいというメリットがあります。
ただ、二世帯分の居住空間や設備が必要になるため、費用がかさみがちであるというデメリットがあるのです。
タイプ③部分共有型の二世帯住宅
部分共有型の二世帯住宅は、一部は世帯ごとに別々にして、一部はふたつの世帯で共有するタイプの二世帯住宅になります。
キッチンやお風呂は共有し、玄関は別々にするなどの二世帯住宅がこのタイプです。
部分共有型の二世帯住宅は、完全同居型より費用面で負担が多い点がデメリットになります。
しかし、ふたつの世帯が共有できる部分は共有できるため、完全分離型よりは費用負担を軽減できる可能性があります。
部分共有型は生活スタイルが異なるところだけ分離し、似ているところは共有できるため、完全分離型より世帯間の交流が増える点がメリットです。
世帯間の交流を増やしつつも、ふたつの世帯のプライバシーやこだわり、生活スタイルを尊重できます。
二世帯が快適に暮らすための施工例
二世帯住宅のリフォームにかかる費用はリフォーム規模によります。
費用感を掴むために、二世帯住宅の施工例をふたつご紹介します。
100万円以下の二世帯住宅の施工例
完全同居型に近い部分共有型の施工例になります。
一戸建てに息子夫婦と両親夫婦が住み、設備も生活スペースも共有していました。
しかし、両親用のキッチンが欲しかったため、リフォームを決意。一戸建ての2階に両親夫婦のミニキッチンを造りました。
キッチンのリフォームは120~150万円くらいが費用相場ですが、この場合はミニキッチンであったことと、1階のキッチンの真上に造ることで給排水管工事が不要であったために、約70万円でリフォームできました。
1,000万円以上の二世帯住宅の施工例
完全分離型の施工例になります。
一戸建ての一階を両親夫婦の住居にし、二階を息子夫婦の住居にリフォームしました。
キッチンやトイレ、玄関などの設備はすべて別です。一戸建てにふたつの家を入れるようなリフォームになります。
二世帯住宅のリフォームにかかった費用は約1,700万円です。完全分離型の大規模なリフォームだったので、費用もふくらんだ事例になります。
二世帯住宅リフォームの失敗例
二世帯住宅はふたつの世帯の生活が近づきます。
そのため、別々の家で暮らすケースより生活面でトラブルになるリスクが高くなるのです。
二世帯住宅のリフォームで失敗し、世帯や家族内でトラブルになった失敗例をご紹介します。
事例を参考にリフォームの成功を目指してください。
失敗例①完全同居型で生活時間帯の違いにより失敗
完全同居型の二世帯住宅にリフォームしましたが、世帯間の生活時間が異なったため、トラブルになった事例です。
息子夫婦は仕事で帰宅が遅く、仕事の関係で遅くまで寝ていることもありました。
対して両親夫婦は退職しており、朝早く起きて、夜も早く寝ます。
息子夫婦は両親夫婦の生活音をうるさく感じ、両親夫婦は息子夫婦の夜遅くに帰宅する音などで、夜中に目を覚ましてしまうことに苦痛を感じていました。
生活時間帯のすれ違いにより、リフォーム後にトラブルになったケースです。
失敗例②部分共有型で洗濯や炊事がトラブルのもとに
部分共有型の二世帯住宅での失敗事例です。
洗濯機を置くスペースとキッチン、お風呂を二世帯で共有していました。
息子夫婦は夕方にたまった洗濯物を洗濯していましたが、その洗濯時間帯が両親夫婦と重なってしまったのです。
加えて、キッチンを共有していましたが、夕飯や朝食の支度を具体的にどちらの夫婦がやるか決めていませんでした。
炊事当番をめぐってトラブルになってしまいました。
生活の要所を共有したことによる失敗事例です。
まとめ
一世帯で暮らしても、家族の中で生活スタイルなどをめぐってトラブルが発生することがあります。
二世帯住宅の場合は一戸建てにふたつの世帯が暮らすわけですから、よく計画を立てなければ、世帯間のトラブルが起きてしまう可能性があるのです。
二世帯が快適に暮らすリフォームプランニングを立てるためにも、間取りや失敗例などのポイントをおさえておくことをおすすめします。
わからないことや不安があればリフォーム会社にも相談してみましょう。