畳からフローリングへ。和室から洋室にリフォームする際の注意点
- リノベーションの基礎知識
近年の住宅事情として、畳のない間取りが増えてきています。
新しく建設されているマンションなどでは、和室はなくフローリングの洋室だけといった物件がほとんどを占めています。
日本人の生活スタイルの変化により畳からフローリングへのリフォームを希望する方も増えてきました。
そこで今回は、畳からフローリングへリフォームするときのポイントや注意点などをご紹介いたします。
畳からフローリングへリフォームするメリット・デメリット
畳からフローリングへリフォームするという意志を固めた皆さまにとって、今回のリフォームは多くのメリットを感じたゆえの決断だと思います。
でもなかには「フローリングには憧れるけど、畳をはずして後悔しないかな~」とまだ迷っていらっしゃる方もいるかもしれませんね。
ここからはそのような方のために、畳からフローリングへリフォームするメリットはもちろん、デメリットについてもご紹介いたします。
ぜひこれらを参考にしていただき、畳からフローリングへのリフォームについて前向きに考えていただければと思います。
畳からフローリングへのリフォームのメリット
まずは、メリットからご紹介いたしましょう。
メリットは2つあります。
① 掃除がしやすく清潔に保つことができる
畳に比べてフローリングは掃除がしやすいのが特長です。
食べ物や飲み物をこぼしてしまったときの掃除を考えていただければ一目瞭然ではないでしょうか。
また畳はカビやダニが発生しやすいというデメリットがありますが、フローリングならその心配は必要ありません。
アレルギーをおもちの方にも安心です。
実際に、畳からフローリングにリフォームしたら、アレルギー症状が緩和されたという報告も多々寄せられています。
② 高齢化社会にマッチしている
近年の高齢化社会において住宅のバリアフリー化が進んでいます。
今はまだ必要なくても将来バリアフリーが必要になるときがくるかもしれません。
例えば車いす。
畳では車いすでの移動は難しいですが、フローリングであれば問題なく移動が可能です。
また介護用ベッドを畳に設置する場合、介護用ベッドなど重くて大きな家具を設置することにより、畳への負荷がかかり畳が傷んだり、表面がへこんだりします。
フローリングならその心配は不要です。
畳からフローリングへのリフォームのデメリット
続いてデメリットをご紹介いたします。
デメリットも2つあります。
① 足元が冷える
畳には湿気を吸収し乾燥時には水分を放湿するという調湿効果があります。
また畳は、夏は涼しく冬はあたたかいという「天然のエアコン」の役目を果たしています。
しかしながらフローリングにはそれらの機能はありません。
畳をはずすことで足元の空気の層がなくなり、足元からの冷えを感じやすくなります。
② 防音性が下がる
畳は、音を吸収してくれる効果があります。
そのため、階下に音が響きにくいというメリットがありますが、フローリングは畳より薄くいため音が伝わりやすくなるので、防音性が下がるというデメリットがあります。
畳からフローリングへのリフォーム工事ついて
それではここからは、畳からフローリングへのリフォームをお考えの方のために、工事の流れや工期、気になる料金についてご紹介いたします。
畳からフローリングへのリフォームの場合、まずは畳をはがして下地の調整を行ないます。
次にフローリング材を張っていきます。
部屋の広さや形状にもよりますが最短だと1日、長くて3日ほどで完成します。
費用は、8畳のリフォーム工事で30万~40万円ほどです。
マンションなどの場合、管理規約で和室から洋室へのリフォームの際には防音性がある素材の利用を義務付けているところもあります。
その場合、プラスアルファの費用が必要になりますのでご注意ください。
また業者によっては、畳の撤去・処分費用が別途必要になることもあるので、あらかじめ見積段階で確認しておくことをおすすめします。
フローリング材の選び方
それでは、実際にフローリングの選び方について見ていきましょう。
たくさんの選択肢のなかからご家庭にピッタリ合ったものを選ぶのはなかなか難易度が高いですよね。
でもいくつかのポイントを押さえておけば大丈夫です!ここでは、フローリング材選び2つのポイントをご紹介いたします。
雰囲気や色で選ぶ
フローリングの雰囲気やカラーでお部屋の印象はがらりと変わります。
今回は畳からのリフォームなので、まずは雰囲気や色をイメージして、それに合ったものを選んでいきましょう。
・ナチュラル・モダン・北欧系
ホワイトやベージュ系など白っぽい色がおすすめです。
どんな色とも相性が良いので、おもちの家具とも合わせやすいです。
合わせるカーテンや家具によりお部屋の雰囲気をナチュラル・モダン・北欧などお好みの雰囲気にすることが可能です。
・アジアンテイスト・クール系
ブラウンやグレーなど濃いめの色を選ぶことで、クールで落ち着いた印象を与えることができます。
高級感のある印象をもたせたいのであれば、ダークブラウン系がおすすめです。
・木目調
自然の温もりを感じさせてくれます。
木目の色を薄くすれば、キュートな雰囲気になります。
一方、濃い色の木目を使用すれば、シックで大人っぽい印象になります。
素材や木材で選ぶ
フローリングの素材は、無垢材と複合材の2種類あります。
ここでは、このふたつの違いについてご紹介いたします。
一体これらの2つの素材、どうやって選べばよいのでしょうか?
迷うところだと思いますが、一番良いのは目的に合わせて選ぶことです。
床暖房にしたいのであれば、複合フローリングがおすすめ
無垢材でも床暖房にすることは可能ですが、床暖房を取り入れるとなると耐熱性が高い素材が求められます。
無垢材は耐熱性が高くなればなるほど値段も高くなります。
低コストでなおかつ床暖房をご希望であるのであれば、複合フローリングがおすすめです。
手触り重視であれば、無垢フローリングがおすすめ
無垢フローリングは、肌に触れると暖かみを感じます。
パインなど柔らかい素材を使用すれば、小さなお子さまがいる家庭でも安心です。
木材で人気なのは、オーク(ナラ・楢)、チェストナット(本栗)、世界三大銘木の一つであり希少価値が高いチークです。
オーク(ナラ・楢)は、「虎斑」と呼ばれる独特の柄が特長で、硬度・弾力性・耐水性・耐久性に優れています。
チェストナット(本栗)は、硬度・抗腐食性・耐久性に優れており、木目がはっきりしています。
チーク強度・耐腐食性・耐久性に優れていて、年月とともに深みを増していく色が魅力的です。
畳からフローリングへのリフォームの際の注意点
畳からフローリングへリフォームをする際に注意しておきたい点は次の2点です。
① 壁や扉も一緒にリフォーム
昭和の時代に建てられた住宅では、和室に砂壁が多く用いられていました。
また扉も襖など和風の扉がついている場合がほとんどです。
床をフローリングへとリフォームしたら、壁や扉のリフォームも一緒に行なうことをおすすめします。
② フローリングの高さに注意
畳の部屋は、他のフローリングの部屋よりも通常、一段低くなっています。
そのため畳をはずしてそのままフローリングにすると隣の部屋との間に段差が出てしまいます。
小さいお子さまや高齢者がいるご家庭ではより一層注意が必要です。
まとめ
畳からフローリングへのリフォームにはいくつか注意点がありますが、それさえおさえておけば、夢のフローリング生活が待っています。
フローリングへ華麗なる変身を遂げたら、ぜひ照明にもこだわりたいですよね。
照明はカバーを変えるだけでもガラッと雰囲気が変わります。
また間接照明を取り入れると、一気にオシャレ度が増します。
ぜひフローリングに合った照明を取り入れてみてくださいね。
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