任意売却では引っ越し代を出してもらえることがあります。
債権者に引っ越し代をフォローしてもらえれば、任意売却する自宅からの引っ越しは金銭的な面で格段に楽になるはずです。
任意売却をする側にとっては、引っ越し代を出してもらいたいのが本音ではないでしょうか。

任意売却で引っ越し代を出してもらうためには、どのようなポイントに注意したらいいのでしょう。
この記事では、任意売却で引っ越し代を出してもらうポイントや、出してもらえるケースなどについて解説します。

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任意売却は必ず引っ越し代を出してもらえる？

任意売却をすると債権者側から必ず引っ越し代をだしてもらえると思うかもしれません。
実は、この認識は間違いです。
任意売却のときは、債権者に引っ越し代を出してもらえるケースと、出してもらえないケースがあります。

任意売却で引っ越し代を出してもらえるかは債権者との交渉次第で、最終的にケースバイケースです。
任意売却時に引っ越し費用を出してもらうためにも、ポイントをおさえた交渉が重要になります。

任意売却時の交渉のポイントについては、後の見出しで解説します。
まずは、任意売却のときに「引っ越し代を出してもらえるかどうかは交渉次第」だという点を確認しておいてください。

競売では引っ越し費用を出してもらえない

住宅ローンなどの支払いを滞納した場合は最終的に担保になっている自宅などを競売される流れになります。
任意売却と競売は自宅などの不動産を売却するという点で「同じではないか」と思うかもしれません。

競売と任意売却は同じ売却でも大きく異なっています。
競売では引っ越し費用は出ません。

競売は裁判所の主導で強制的に不動産を売却されてしまうのです。
家の持ち主の引っ越しスケジュールへの配慮はなく、引っ越し費用は一切出ません。

強制的に家を売られたうえに自分で引っ越し費用を捻出し、競売スケジュールに合わせて退去しなければいけないのが競売です。
競売は強制的におこなわれますから、引っ越し費用や引っ越しスケジュールを交渉する余地もありません。

任意売却だと引っ越しスケジュールや引っ越し代の交渉が可能です。
任意売却だと引っ越しする側の事情に寄り添った売却が可能になっています。

任意売却で引っ越し代を出してもらうポイント

任意売却で引っ越し代を出してもらうためには、債権者と交渉する必要があります。

交渉の結果次第で引っ越し費用を出してもらえるかどうかが変わってくるため、債権者が理解を示してくれるようポイントをおさえた交渉をおこなうことが重要です。

任意売却で引っ越し代を出してもらうときの交渉のポイントは5つあります。

ポイント①引っ越し代の捻出が難しいと素直に伝える

引っ越し代を債権者が出してくれるのは「引っ越しできないほど困っている」という状況を知ったうえでの善意です。
任意売却をする債務者が引っ越し代を捻出する余裕があるなら、債権者は基本的に引っ越し代を出してはくれません。

引っ越し代を捻出できないほど困っているのであれば、素直に困っていることや余裕がないことを債権者に伝えることがポイントになります。

債権者に引っ越し代を捻出できないという現状を理解してもらうためにも、ウソ偽りのない懐状況をしっかり説明することがポイントです。

ポイント②出してもらえる引っ越し費用の相場を知っておく

債権者が引っ越し代を出してくれることになっても、無制限に出してもらえるわけではありません。

たとえば引っ越し費用に100万円かかったとします。
この引っ越し費用を債権者に全額負担してもらえるのは、難しいのが現実です。

任意売却のときに債権者が出してくれる引っ越し費用には相場があります。
相場は10～30万円です。
任意売却のときにかかる引っ越し代をすべて債権者が負担してくれるわけではないため、注意してください。

引っ越しのプランを決めるときや債権者に引っ越し代の負担を切り出すときは、出してもらえる引っ越し代の相場を意識しておきましょう。

ポイント③債権者との交渉は誠意を持っておこなう

債権者が任意売却の際に引っ越し代を負担してくれるのは善意です。
義務ではありません。
「引っ越し代を出してもらって当然」という態度で交渉に臨むと、債権者の心証を害する可能性があります。

債権者が引っ越し代を出してくれることは、あくまで善意である。
交渉のときにはおさえておきたいポイントです。

交渉だけでなく、任意売却の諸手続きの連携において債権者に伝えるべきことは迅速に伝えるなど、債権者から信頼感や好感を持ってもらえるよう努めることも重要になります。

ポイント④交渉の得意な不動産会社に依頼する

任意売却のときに引っ越し代を出してもらえるかどうかは債権者との交渉次第なので、任意売却のときは交渉を得意とした不動産会社に相談することが重要です。

任意売却をおこなっている不動産会社にも、知識や実績の違いがあります。
任意売却への知見が深く経験豊富な不動産会社は債権者との交渉にも慣れているのです。

交渉次第で引っ越し代を出してもらえるかが変わってくることに留意して、交渉慣れしている不動産会社や、交渉を得意としている不動産会社を任意売却のパートナーに選ぶことをおすすめします。

任意売却の相談をする不動産会社を選ぶときは、その不動産会社のホームページや実績、コラムなどをチェックし、任意売却への姿勢や知識、実績などを確認するのもポイントです。

ポイント⑤可能な限り高額で任意売却する

任意売却のときに引っ越し代を債権者が出すということは、債権者の取り分が減るということでもあります。
任意売却で回収できる金額が少なければ、債権者は引っ越し代を出したがりません。

債権者に引っ越し代を出してもらうためにも、可能な限り高い金額で任意売却することがポイントになります。

任意売却での売却金額は不動産会社の手腕によります。
任意売却の経験が豊富な不動産会社に相談するといいでしょう。

任意売却で引っ越し代が出るケースと出ないケース

任意売却で引っ越し代を出してもらえるかは、交渉した上で債権者がどう判断するかにかかっています。

債権者が引っ越し代を出すと判断する可能性が高いケースと、引っ越し代を出さないと判断しがちなケースについて補足します。

引っ越し代が出るケース

任意売却で引っ越し代が出る可能性が高いケースとは、次のようなケースのことです。

以上のようなケースであれば、債権者が引っ越し代を出してくれる可能性が高いと考えられます。
ただし最終的には債権者との交渉次第ですので、注意してください。

引っ越し代が出ないケース

債権者が任意売却の引っ越し代を出すことを認めない可能性が高いのは、次のようなケースです。

基本的に任意売却の引っ越し代は自分で出すものであり、債権者との交渉次第で善意で出してもらえるわけです。
経済的な余裕があれば、債権者側は引っ越し代を出したくないと考えることでしょう。

また、任意売却をする債務者や不動産会社が交渉を失敗すると、債権者は首を縦に振りません。
任意売却で債権者に引っ越し費用を出してもらうためには、交渉は非常に重要なポイントなのです。

まとめ

任意売却のときに引っ越し代を出すことは、債権者の義務ではありません。
よって、引っ越し代を出してもらえるかどうかは「不動産会社の交渉の手腕」や「債権者に事情を理解してもらえるかどうか」などにかかっています。

任意売却の引っ越し代を債権者に出してもらうためにも、任意売却の交渉経験や実務経験の豊富な不動産会社に相談することが重要です。
経験豊富な不動産会社のサポートを得て、後悔のない任意売却をおこないましょう。

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